蛍の季節 

ぐづついた天気が続いていますが、かなりむし暑さを感じるようになってきました。皆さんはいかがおすごしでしょうか?私たち人間にとってはちょっと憂うつな季節ですが、夏の風物詩の蛍にとっては最高の季節だったようです。今年もここ安富では6月初旬〜20日頃にかけてたくさんの蛍が飛び交い、多くの人の目を楽しませてくれました。

奥播磨の蔵がある安富町は姫路城の北25kmに位置する、町の約9割が森林にかこまれた自然豊かなところです。三年前、私は奈良のとある街から引っ越してきました。それまで私にとって蛍といえば、車で1時間以上かけて、年に1〜2回見に行くものでした。それがここでは仕事帰りの橋の上でもみることができます。蔵でも瓶場のおねえさんと「昨日お地蔵さんの辺りでたくさん飛んでましたよ!」「あらそう、私もこの前うちの村の川のとこでようけ見たわ。」なんて話をしています。一面に湧き立つようにとまではゆきませんが、ざっと見渡して数えられないくらいの蛍はみることができます。

ところでみなさんは蛍がどうやって光っているかごぞんじですか?蛍の発光は電球のように熱くなりません。その理由はルシフェラーゼという物質と酵素を体のなかで化学反応させることで光をつくっているからだそうです。電球の光はエネルギー全体の10%が光、残りの90%は熱でできています。それに対して蛍の光は90%が光で、「地球上で一番効率の良い光エネルギー」といわれています。

蛍はもともと大きな岩や石があるような川の上流で暮らしている生き物ではありませんでした。卵を産み付けるためのコケや草、幼虫のエサとなるカワニナがいる川、さなぎになるための汚れていない土といったむしろ人間が暮らしているような場所で生活してきたのです。それゆえ蛍は私達人間にとって「生活環境や水質の良さを表すバロメーターである」と言えるのです。

初めはその美しさに見惚れていただけの蛍でしたが、今では時々そんな事も考えながらみいているような気がします。奥播磨では毎日酒の仕込みに井戸水をつかっています。当然のことですが、酒造りは蛍同様、水とは切っても切れない関係にあります。だからこそこの美しい奥播磨の豊かな自然を大切にしてゆかなければならないと思いますし、美しい光の景色をいつまでも絶やしたくないと思うのです。



                         6月の安富

左下の写真、上から4枚は草の陰に止まっているメスのゲンジボタルです。少しずつ光が強くなってゆくのがお分かりいただけますでしょうか?出来ればたくさんの蛍が川岸をゆらゆらと舞う幽玄な景色を写真におさめたかったのですが、なかなか思うようなもがとれず苦労しました。
                              

       
     
      
      
 
 
   

   
 
 
 

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